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引き継がれる街の歴史
広島市内中心部からバイパスで15分。原爆ドームと宮島という2つの世界遺産の間に位置する住宅街、佐伯区皆賀の地にminagarten(ミナガルテン)は始まります。皆賀は江戸時代には水長と書き、山からの水が滞留する場所でしたが、住民らが力を合わせて行った治水工事で改善。それを祝って、皆が賀す(祝う)という意味の現在の表記になりました。
1970年頃にバイパスが通り、広島市のベッドタウンとして発展した皆賀エリア。本計画地には、約半世紀に渡り園芸卸売業を営んでいた真屋農園がありました。在りし日には、東は関東・中越地方、西は九州の産地から届いた商品や、中国・四国地方から買い付けに集まったトラックで賑わいを見せましたが、2017年夏、惜しまれながらその歴史に幕を閉じました。
ミナガルテンはそんな土地の記憶を引き継いで、緑豊かな住宅群と、カフェやシェアキッチンなどが集うコミュニティ施設として新たに生まれ変わります。garten(ガルテン)とはドイツ語で「庭」のこと。真屋農園在りし日のようにまたここに多くの人々が集い、色とりどりの個性の花咲く、豊かで大きな庭が広がることを願っています。
みんなの庭、わたしの庭、皆賀の庭
garten(ガルテン)というドイツ語表記を、少し分かりにくいかな?と思いながらあえて選んだのには理由がありました。 第一のヒントは、ドイツで盛んな「Kleingarten(クラインガルテン:小さな庭)」から。市民が農園をシェアして家庭菜園やガーデニングを楽しむことができる貸し農園の仕組みです。第二のヒントは、「Kindergarten(キンダーガルテン:子供の庭)」。ドイツの教育者フレーベルが創設した、遊びを通じた幼児教育を提唱する幼稚園のことで、庭に生える植物のように子ども達が自由に育つための環境がイメージされています。
mina(ミナ)は、フィンランド語で「わたし」「個人」のことを指すそう。ミナという音に「みんな」と「個人」という正反対の意味があるのが面白く、その両方が同時に成立する自由で思いやりのある世界を、ここ皆賀から目指したい。そんな思いもミナガルテンの名には込められています。大人も子どもも自由の芽がすくすく育つ「庭づくり」に、あなたの暖かな陽射しと、豊穣の雨、そして輝く種を分けて頂けたら幸いです。新しい物語を一緒に紡いでいきましょう。